建物登記に関するよくある質問
- 建物を新築したときはどのような手続きが必要となりますか?
- 家を新築したときは、最初に建物表題登記をすることになります。所有者に代理して登記申請を行えるのは土地家屋調査士です。
これは、主に建物の物理的状況を公示するもので、新築不動産の登記記録(登記簿)が新たに作られ所在、家屋番号、種類、構造、床面積、所有者等が登記されます。
この建物表題登記が済むと次に所有権保存登記を申請することになります。所有者に代理して登記申請を行えるのは司法書士です。
建物保存登記に必要な書類は、
(1)所有者の住民票、
(2)委任状、
(3)住宅用家屋証明書などです。
保存登記は、所有権の登記のされていない土地や建物にされる初めての所有権登記であり、保存登記完了後に登記識別情報が作成されます。そして、この所有権の登記を基に様々な権利の登記がなされます。
銀行等から融資を受けて土地や建物に抵当権の設定登記を受けるには、これらの手続きは必須となります。
- 建物が建ってから1年以上がたつけど、登記をする必要がありますか?
- 建物を新築し、その建物に住所を移転してから1年以内であれば、登記に必要な登録免許税が減税されます(通常は家屋の評価額の1000分の4ですが、減税されると評価額の1000分の1.5になります)。そのため、新築した際は1年以内に登記をすることをお勧めしますが、新築から1年以上が経過した段階でも、建物の現況、所有状況を明らかにするために登記をする義務はありますので速やかに登記をすることをおすすめします。
- 建物を増築したのですが手続きが必要となりますか?
また軽微な増築または一部取り壊しでも建物表題部変更登記をする必要がありますか?
- 建物を増築、または一部の取り壊しをして建物の所在・種類・構造・床面積などに変更が生じたときは、「建物表題部変更登記」の申請を1月以内に法務局にする義務があります。(不動産登記法第51条)
また軽微な増築・一部取り壊しの場合でも、床面積が増減したり、屋根を葺き替えて構造が変わったりした場合など建物表題部変更の登記を1月以内に申請する義務があります。(不動産登記法第51条)
この義務を怠った者は10万円以下の過料に処される罰則規定も定められています(不動産登記法164条)
ただし、この過料に処された人の話は今のところ聞いたことはありません。
世の中に未登記の建物や増築部分の登記をされていない建物がありふれているのはこの罰則規定が実行されていないためです。
しかし、いつまでこの状態が続くのかは分かりませんので、近いうちに取壊す予定の建物を除き、速やかに登記申請を行ったほうが良いと考えます。
申請義務を放置していた建物に対して登記を将来、必要に迫られるのは、
土地を建物ごと売却することになった際に買主が融資を受けて購入する場合や、自宅のリフォーム時に銀行から融資を受けて建物に抵当権の設定を受ける場合などで、所有者が銀行や買主側から建物表題部変更登記を求められることになります。
銀行の融資が絡まなかったとしても、不動産業者が仲介していれば重要事項として買主側に説明するはずですので、登記を求められることが多いでしょう。
- 居宅を店舗に改装し屋根材を葺き替えて営業しているのですが、建物に対して登記が必要となりますか?(増築、減築はありません)
- 家屋の登記記録(登記簿)には表題部と呼ばれる部分に家屋の所在、種類、構造、床面積が登記事項として記録されていますが、この登記事項に変更があった際は1月以内に表題部変更登記の申請を行う義務があります。(不動産登記法第51条)
この義務を怠った者は10万円以下の過料に処される罰則規定も定められています(不動産登記法164条)
ただし、この過料に処された人の話は今のところ聞いたことはありません。
世の中に未登記の建物や増築部分の登記をされていない建物がありふれているのはこの罰則規定が実行されていないためです。
しかし、いつまでこの状態が続くのかは分かりませんので、
融資などが絡んでおらずお急ぎでない場合には建物の種類の変更(居宅を店舗に改装)や屋根材の変更(瓦から別の素材に吹き替えた等)のみであればご自身(本人申請)で行うのも良いかもしれません。(増築、減築がない場合)
これらは登記申請に測量と図面作成が必要ありませんので本人申請が十分可能です。
法務局の相談窓口で職員が登記申請の仕方を教えてくれます。
費用よりも時間が惜しい方や、お急ぎの方は当事務所又はお近くの土地家屋調査士にご依頼ください。
土地登記に関するよくある質問
- 所有地を一つにまとめて売却したいのですが、どうしたらいいのでしょうか?
- 複数の土地を一つの土地とする「合筆」(ごうひつ、がっぴつ)登記を申請します。複数の土地に対してそれぞれ作成されてある登記簿(現登記記録)を一つの登記簿にまとめる、登記のことを「土地合筆登記」といいます。ただし、所有者が同じ、地目が同じ、など合筆できる条件がありますので当事務所又はお近くの土地家屋調査士にご相談ください。
- 地積更正登記は必要なのですか?
- 土地の売却をしたいときに登記記録(登記簿)の地積と実測面積(境界確定測量で決まった面積)の差が一定の基準を超えた際や売買契約の内容によっては求められることになります。
必要になるケースは
・土地の売買契約内容によって求められる場合や、銀行等からの融資実行の条件の場合。
・分筆登記を行う際に地積と実測面積の差が一定の基準を超えた場合。(分筆登記の前提として必須)
等があげられます。
地積更正登記がおすすめされるケースは
・土地の境界をはっきりさせたくて境界確定測量を依頼した場合
地積更正登記の申請を行うと登記簿の地積が確定した面積に更正され、法務局に新しい地積測量図が備え付けられ公示されます。地積測量図は法務局で誰でも取得できる資料で、よりその境界確定測量の成果をはっきりと示すことができます。
等があげられます。
- 分筆登記には境界確定測量が必ず必要なのですか?
- 分筆登記には境界確定測量が原則必要となりますが、例外的なケースもあります。
こちらは分筆の目的やお土地がある地域の官公署による測量状況、法務局の判断次第な部分がございますので分筆を依頼する際にご相談ください。
測量や境界に関するよくある質問
- 以前あった境界杭が見当たりません。新たに境界杭を設置するには、どうしたらいいですか?
- 境界杭はお隣との境界を明確にする大切なものです。土砂などで埋まったり、工事などでなくなったりすることもありますので日頃から管理する必要があります。
どうしても見つからない場合や工事などでなくなった場合には、隣地の方に立会っていただき、境界確定を行なった上で、永続性のある境界標を設置しましょう。
後々のトラブルを避けるためにも当事務所又はお近くの土地家屋調査士にご相談されることをお勧めいたします。
具体的には境界杭を設置する方法はおおまかに2つに分けられます。
・新たに境界確定測量を行い立会、同意して、新たに杭を設置する方法
・正確な境界の位置を復元できる図面(確定測量図や地積測量図等)がある場合は、その図面から境界位置を復元し、隣地の方に立ち会ってもらい再設置する方法(比較的新しい確定測量図や地積測量図等がある場合は可能なことが多いです)
くれぐれもご自身で勝手に境界杭を埋めないようにしてください。トラブルの元となります。
- お隣が筆界確認書を持って来ましたが、納得できません。越境しているようです。
- お隣の境界確定測量を行っている土地家屋調査士から納得いく資料の提示や説明を受けられれば良いですが、どうしても信用できず納得いかない場合には、ご自身も別の土地家屋調査士にご相談されたほうがいいかと思います。当事務所又はお近くの土地家屋調査士にご相談ください。
- 筆界特定制度とはなんですか?
- 法務局において平成18年1月から、筆界が明らかでない場合に「土地の筆界の現地における位置を特定する制度(筆界特定制度)」が導入されました。土地の所有権の登記名義人等の申請に基づいて「筆界特定登記官」が筆界を特定します。
この筆界特定制度では、「筆界調査委員」という専門家が、これを補助する法務局の職員とともに、土地の実地調査や測量を含むさまざまな調査を行った上、筆界に関する意見を筆界特定登記官に提出し、筆界特定登記官は、その意見を踏まえて筆界を特定します。土地家屋調査士は、筆界調査委員の中心となりその職務にあたっています。
但し、土地の所有権(所有権界)の争いは、筆界特定制度では取り扱うことはできないので注意ください。
この制度で特定される筆界とは、元々の土地と土地との境界線です。お隣の土地の専有状態が続いている土地境界(占有界)や、土地の一部をお隣に譲渡した又はされた後の境界線(所有権界)ではありませんので、制度利用を考える際は必ず土地家屋調査士に詳しい説明を求めて下さい。
- 筆界特定制度も含め、境界問題の解決方法はどのようなものがあるのですか?
- 境界問題解決にあたっての解決方法は、主に下記の4つになります。
1.専門の土地家屋調査士に依頼して解決
2.筆界特定制度による解決
3.裁判外の紛争解決手続き(ADR法による解決)
4.裁判(境界確定訴訟など)
難解な問題を含んでいる場合もあり、境界問題の解決は1のみで解決されるのが最も穏便で、負担も少ないかと思われますので、まずは土地家屋調査士にご相談ください。